お花のレッスンで、最初によく聞く言葉があります。
「うまく生けられません」
「センスがなくて……」
そんなふうに、はにかみながら話してくださる方に、私はいつもこうお伝えします。
「“センスはあるもの”じゃなくて、“磨くもの”ですから、大丈夫ですよ」
「センスが最初からあったら、誰も学びに来ませんから(笑)。」
お花の世界には、技法や型ももちろんあります。
けれど、それに縛られすぎてしまうと、
“自分はこうしたい”という感覚が小さくなってしまうこともあるのです。
正解を探すより、自分の心の動きを感じること。
「今日はこの花が気になる」「この向きがなんだか落ち着く」
その感覚こそが、あなただけの“花と向き合うスタイル”です。
うまく生けることより、自分らしく生けること。
それができるようになると、お花を通して“自分を知る”時間が生まれていきます。
花は、あなたの“らしさ”を引き出してくれる相棒です。
「こうじゃなきゃいけない」ではなく、
「私はこうしたい」という気持ちを、そっと後押ししてくれる存在。
だから、もしあなたが「うまくできるか不安……」と思っていても、
大丈夫。まずは、あなたの“好き”を大切にしてみてください。
お花は、きっとそれを受けとめてくれます。
そして、それを繰り返しているうちに”センス”は、自然に磨かれています。
コメント